2013年2月3日日曜日

ひとときの出会ひのために購ひし切符をゆるく握りしめたり(笹井宏之)





社会人になって、働き始めて、仕事を初めて、やっと3年。でも一つの事を続ける時間としては、自分にとって、長い期間だった。あっという間だったけど。
そのまるっと3年経とうとしている最近、やっと仕事を心から楽しい、と思えた。
デザイナーで居る事がずっと不安で(学生の頃からデザイナーという職業に不信感を抱きつつ、結局デザイナーとしてしか就職活動をしなかった)、世の中にもっと直接的に役にたつ仕事に対して劣等感を抱いて、そんな気持ちでちゃんとデザイナーとして決意がある人と働いているのも失礼な気がして、とにかくぐにゃんぐにゃんで、自分には覚悟がなくて、意思もなかった。

でもほんとにやっと、自分がデザイナーでいていいんだって最近一つの仕事を通して思える事が出来た。初めて一つの仕事を丸投げされて、現場にはデザイナーとして自分しかいなくて、プレッシャーで胃がキリキリした(比喩として)し、もうスケジュールがきっつきつで、ふられた瞬間ええ!って感じだったけど、それを私にふってくれた事も、信頼されているようで(実際はどうだか知らないけど)、絶対いいもん作ろう!てそれこそ、覚悟を決めた。毎日電車の中も寝る前も仕事をどう段取っていくか考えて、一つ段取りがうまくいかなったら、総崩れしてしまうような仕事だったけど、不思議と、すいすいいい方に進んで行って、周りの人もとても理解してくれて、本当に嬉しかった。

特に、撮影を1人で責任もって仕切るのがめちゃくちゃ不安で、カメラのアングルとかライティングとかあんまり分からないし、カメラマンに指示だすのもいやだなぁ、、って不安のARASHI!だった。それでもやっぱり、先輩があんまり不安にならないで、現場を楽しんで、自分が消費者の目線で、いいものだなぁ!って写真が撮れれば大丈夫!って言ってくれて、少し安心出来たり。いざ現場入りしてみたら、初めてのスタジオ(スタジオの手配も1人じゃ無理だったけど、請け負って下さったおかげで本当に助かって、心の底から感謝した)はとても優しいいい雰囲気のスタジオで、自然光の撮影でその日はぽかぽか陽気のお天気にも恵まれて、スタバのあったかいパンを差し入れてくれて、 緊張がほぐれた。カメラマンの方も、私のふわふわな説明を汲み取ってくれて、とてもありがたかった。アングルがきつすぎるから、もっと下げて、光をここまであたるようにして、って自分がそういう指示が出せるようになった事にああ、少しずつだけど成長出来てるなぁありがたいなぁって今まで現場を見させてくれた先輩たちに感謝した。そうして、自分の要望を入れてもらった写真とその前の写真どっちが良いかカメラマンと話あって、こっちの方がいいですねって言ってくれると、ああ!私居ていいんだ!良かった!って思えた。

クライアントの人も一緒にあーだこーだいいながら、でもそんなきりきりした現場じゃなくて(カメラマンの人柄のおかげ!)みんなで、ふふふってあったかい雰囲気で撮影出来た。その人ももう4年くらいこの仕事担当しているけど、近年稀にみる楽しい現場だった、って言ってくれてその言葉が聞けて、がんばって良かったなぁ!って。

それで遠く彼方にいるADにメールで確認してもらって、電話がかかってきて、「あなたの感性を信じるからがんばりなさい」って言ってもらった時は軽く泣きそうになったw。全OK出たのをみんなに報告しにいって皆が拍手してくれたのも嬉しかった。
その後完成品をチェックしてもらった時も「今回はなかなか良かった」って言われて、ほんっとーに安心して、一生懸命やって良かった!!!!!って思った。

その一連の仕事が終わってちょっとのんびりと置いておいた仕事をしていたら、急になんで自分がデザイナーになろうと思ったのかを思い出した。自分がデザインした物が世の中に出る。それだけだった。それだけだったのに、それ以上いっぱい勝手に意味を見いだそうとして、自分が辛くなっているだけだった。今、自分はそれが出来ているんだ、と思ったら、すごくありがたくて、仕事が楽しくて、もっと仕事したい!って思えた。



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